2.決意を新たに―美依―

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悠ちゃんが彼女と別れて嬉しかった。 その弱みにつけこむ気満々だった。 でも悠ちゃんは落ち込んではいたものの、見せる顔はいつもと一緒。空ちゃんと私には『お兄ちゃん』の顔しか見せてくれない。 「……絶対妹を卒業してやるんだから」 人様の家のトイレで呟くことではないだろうけど、私は決意を新たにした。 両親が先に帰ってから、十分くらいしたかな?トイレのドアをノックする音と共に、空ちゃんの声がした。 『美依。彼女来たんだけど出れるか?』 「うん」 トイレから出ると目の前には空ちゃんが。顔を見合わせるとニコリと笑ってくれた。 「うん、泣いたって分かんないな。もう大丈夫だろう。じゃあ行くか」 「ありがとう空ちゃん」 空ちゃんの後に続き階段を降りる。 玄関に着くと、空ちゃんはリビングの方に向かって声をかけた。 「じゃあ行ってくるなー」 「おじゃましましたー」 空ちゃんの声と共におばさん達に声をかける。本当は顔を合わせて言うべきだということは分かっているけど、やっぱり顔を合わせづらい。
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