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「何が違うんだ?言ってみろよ」
美依は上目遣いで俺を見ると、ゆっくりと語りだした。
「……ドキドキ、したいの」
「ドキドキ?」
俺の疑問に頷く。
「ドキドキする人と恋愛したいの。ドキドキ=好きってことよね?沢山ドキドキして、その人と幸せな時間を過ごしたいの」
美依の言っていることは分かる。でも――
「だったら今まで付き合った奴らはドキドキしなかったのか?じゃあ何で付き合ったんだよ」
頷く美依に畳み掛けるように尋ねる。その表情に陰りを見せた。
「今まで付き合った人は、向こうから『好きだ。付き合ってくれ』って言ってきた人。その時はドキドキしなかったけど、付き合ってたらするのかなって思って……。でも無理だった」
シュンと沈んでしまった美依の頭を優しく撫でる。
「――何も急いで付き合わなくてもいいだろう?言われたからじゃなく、自分がドキドキする奴をみつけて告白すればいいじゃないか」
何故か俺のその言葉は美依を怒らせたようで、先ほどまでの沈んだ感じはどこへやら、噛み付く勢いで話しだす。
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