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「ドキドキする人、みつけてるわよ!でもその人は私のことを恋愛対象には見てくれない。他の人と付き合うことでヤキモキしてくれないかなって思って……」
怒っていた顔が泣きそうに歪む。
俺は初めて聞くことに、ただただ驚くばかり。
「そんな奴いたのか。一体誰だ?俺の知ってる人か?」
「……悠ちゃんのバカ!」
伏せていた顔から出た言葉と、その後の行動はほぼ同じだった。
俺の背はベッドへと押し付けられ、上には涙目の美依の姿。そう、美依に押し倒されたんだ。
「――私がドキドキするのは悠ちゃんだよ!私の気持ちは昔っから変わらないのに、悠ちゃんはそういうふうには全然見てくれない!
ずっと、こうしたいって思ってたのに――」
突然美依の顔が近づいてきて、俺の唇に美依のそれがかぶさる。
驚きの連発で、抵抗するという事柄さえ出てこず、俺に出来ることはそれを受け入れることだけ。
「ねぇ、悠ちゃんはドキドキしない?私は凄くドキドキしてるよ。――私は妹でしかないの?」
美依の目から、涙が一筋零れた。
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