なっちゃんとしょくしゅ

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☆side なっちゃん☆ 「あ」 ソファの上に、夕方尊君が読んでた本が置きっぱなしになっていた。 尊君は…お風呂かな? 「むー……」 …そんなに怖い話なのかな? …………ちょっとだけ読んでみて、怖かったら借りるのやめよう。 うん、そうしよう。 カバーを外して表紙を見てみると、ファンタジーなお城の前で剣を構えてる金髪さんと、黒髪の学生服の男の子。 …ファンタジー…だよね? そんなに怖そうじゃないけど、ホラーなのかな。 ぺらぺらと頭の方を読み流していると、どうやら表紙の学生服の子が異世界に飛ばされちゃう話みたいだ。 森のなかをさ迷ってた男の子が山賊に出会う。 その世界では黒い髪は珍しく、捕まって売り飛ばされそうになって…うん。王道的な展開だと思うけど…。 なんとか自力で逃げ出すと、そこにはモンスター。 モンスターからはうねうね触手が出てきて… 「ほあ!?」 しょ…しょくしゅ…しょくしゅが…服のなか…お、お尻に…にゃああああああ!? な、なにこれなにこれなにこれぇぇえええ!! 「ふー。いいお湯だったぁ。うん?真っ赤なトマトさんになってなっちどったのぉ?」 「ほにゃあああ!?」 「ど、どしたの?」 なにこのお話…っなんで尊君こんな本読んでるの!?
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