527人が本棚に入れています
本棚に追加
☆side なっちゃん☆
「あ」
ソファの上に、夕方尊君が読んでた本が置きっぱなしになっていた。
尊君は…お風呂かな?
「むー……」
…そんなに怖い話なのかな?
…………ちょっとだけ読んでみて、怖かったら借りるのやめよう。
うん、そうしよう。
カバーを外して表紙を見てみると、ファンタジーなお城の前で剣を構えてる金髪さんと、黒髪の学生服の男の子。
…ファンタジー…だよね?
そんなに怖そうじゃないけど、ホラーなのかな。
ぺらぺらと頭の方を読み流していると、どうやら表紙の学生服の子が異世界に飛ばされちゃう話みたいだ。
森のなかをさ迷ってた男の子が山賊に出会う。
その世界では黒い髪は珍しく、捕まって売り飛ばされそうになって…うん。王道的な展開だと思うけど…。
なんとか自力で逃げ出すと、そこにはモンスター。
モンスターからはうねうね触手が出てきて…
「ほあ!?」
しょ…しょくしゅ…しょくしゅが…服のなか…お、お尻に…にゃああああああ!?
な、なにこれなにこれなにこれぇぇえええ!!
「ふー。いいお湯だったぁ。うん?真っ赤なトマトさんになってなっちどったのぉ?」
「ほにゃあああ!?」
「ど、どしたの?」
なにこのお話…っなんで尊君こんな本読んでるの!?
最初のコメントを投稿しよう!