プロローグ

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魔王「来るなぁぁあ~」 まだ夜明け前で真っ暗な森の中を私は一心不乱に走った。 魔王「ハァ……ハァ……くっ」 豪華な装飾が邪魔で走りにくい、こんな事ならドレスじゃなくてもっと走りやすい服にしとけばよかったと深く後悔しながら。 邪魔なヒールも脱ぎ捨てて、とにかく走った。 魔王で魔族の頂点の私がどうしてこんな目にあうの?など、いろんな事が頭の中でグルグルと巡って思考がグチャグチャになって頭を抱えたくなる。 つい、走るのをやめて頭を掻き毟りたくなるけど、今はただただ、逃げなければと思い直す。 思考がグチャグチャな中でも[逃げる]って事だけははっきりとわかってる。 逃げないと、あいつに捕まってしまう。 あいつに捕まってしまったら……考えるだけでも怖い。 魔王「誰か、助けてぇ」 恐怖と不安で、泣いてしまいそうだ。 それでも、走るのはやめない、やめれない。 あいつから、逃げて逃げて逃げて逃げ伸びるために。
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