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魔王「とにかく、私があと四回捕まらなければ勝ちなんでしょ?」
魔王は諦め、話を続けた。
姫勇者「えぇ、そうですわ♪ただし、魔界だけは範囲外ですわよ?」
姫勇者に魔界だけは範囲外と言われ、魔王はえ?となった。
魔王「なんでよ!?魔界は範囲外なんて私が不利じゃない!!」
魔王は今まで魔界から外に出た事が無いため、外の世界である人間界の事を何も知らない。
姫勇者「今、魔界には世界中から私以外の勇者が砂糖に集る蟻のように集まっているのですよ?もし、魔王が私以外の勇者に殺されたら嫌ですもの……あなたを殺すのは私ですわよ♪」
姫勇者は妖しい光を孕ませた瞳で魔王を見つめた。
ゾクリと魔王は背筋が震えた、姫勇者のあの瞳は圧倒的な恐怖を魔王に植え付けていた。
魔王「あ……ぁ、う……」
自分でも気づかないうちに魔王は泣きそうになっていた、魔王城を襲撃され姫勇者に追い詰めらてた時の恐怖が蘇ってきた。
姫勇者「あらあら、怯えさせちゃいましたね。ごめんなさい、もう殺す気はないですから」
姫勇者は涙ぐんでいる魔王に気づき、すぐに優しい微笑みを浮かべた。
魔王「お、怯えてなんてないもん!あ、……ぅう」
自分の言葉に魔王は真っ赤になり、顔を俯かせた。
姫勇者「ハァ♪魔王ったら本当に可愛いですわぁ♪」
姫勇者はウットリとしながら、魔王を今すぐ寝屋で愛でたいなぁ、と思った。
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