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魔王「さ、寒い……くしゅん!はぁ……どこにいるのよー!?」
少女の後を追ってきたものの、土地勘はなく少女の素性も名前すら知らない魔王は1人街中を彷徨っていた。
さらに魔王を追い詰めるように、次第に強さを増す雨風と雷にすっかり意気消沈気味になってしまった。
魔王「ハァ……あの人の子供のためだからって、なんでこの魔王の私様が風雨の中を他人のために歩かなきゃなんないのよ!もう!!」
募るイライラに魔王はすっかりご立腹し、地団駄を踏みながら近くの喫茶店に入った。
魔王「そこのあなた、私様に水を差し出しなさい」
入るなり魔王は近くにいたウエイトレスに水を差し出せと要求した。
しかし、魔王の格好を見るなりあからさまな見下した態度をとった。
ウエイトレス「下民に出す水なんてないわ」
そう言われ喫茶店から追い出されてしまった。
魔王「こ、この私様が下民ですって!?な、なんて失礼なクズ(人間)なの!!」
下民扱いされ、ますます魔王はご立腹したのだが。
キュルキュル~。
お腹から可愛らしい音とともに、シュンとなり大きな瞳に涙をためうずくまり音が鳴り止むのを必死に待った。
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