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(キンコーンカーンコーン)
「はい、じゃ今日はここまでです。さっきの32番の問題は一学期末で出すから、やっておいてください」
「起立、きつけ、礼」
(ガラガラン ガラン)
澄「なぁなぁ」
誠「ん?」
澄「さっき、池さんが言ってた32番ってどうやってとくの?」
誠「知るか」
澄「即答かよ」
誠「スミ、ちゃんと授業聞いてなって。どうせ寝てたんだろ?」
澄「いや最近、夜予習とかしてっと、授業中が眠くてしょうがないんだよな」
誠「たく、駄目だよそんなことじゃ。社会じゃやってけないよ?社会じゃ通用しないよ?」
澄「うっせ。悪いけど、ちょっとノート見せてくんね?」
誠「無理」
澄「なして?」
誠「寝てたから」
澄「お前もかよ!」
(ゴッ)
誠「っいで。殴んなよー」
澄「何が、社会じゃ通用しないよ?だ!」
誠「俺だって解ってるんだって、いけないって。でも、どうしても我慢できなくて、ついあと一回、もう少しだけ、と寝てしまうんだよ」
澄「中毒患者か!お前、評価赤ギリギリだろ?ちょっとノート見してみ?」
誠「無理」
澄「なして?」
誠「よだれでバッキバキで見せられるもんじゃ……」
澄「筋金入りの中毒患者だな」
誠「この頃授業が始まる鐘がなった後、間髪入れずに終わりの鐘が聞こえるんだよ」
澄「ずっと寝てんじゃねぇか!」
誠「いや、ずっと寝てるわけじゃないんだぜ」
澄「いやお前のノートが全てを物語ってくれてるだろうが。明らかに爆睡してるだろうが」
誠「二割方は起きてるぜ」
澄「だから問題そこな。それ四捨五入したら、『寝てる』になるから。もういっそ寝てろ」
誠「だって池さんの声って妙に眠気を誘ってくるんだもん」
澄「まぁ、それは分かる気もするか。でもお前、他の授業でもちょいちょい寝てるよな。あれか?夜行性か?」
誠「ってかなんか、俺の脳って授業の始まりの鐘を聞くと、自動的に外界からの情報を全てシャットアウトしちまうんだよなぁ。無意識のうちに」
澄「器用な脳だな」
誠「あー、ヤバいよ一学期期末!次赤ならマジやばいなー!」
澄「いや、赤以外の選択肢ってありえんの?」
誠「諦めたらそこで試合終了何だぜ!!」
澄「お前の試合は、始まる前に既に終わってるから。まずノートちゃんと作れよ」
誠「面倒」
澄「留年しろ」
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