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「オレは元首に用事がある。
元首の所まで案内してくれるのならば、誰にも危害は加えない。
邪魔をするのならば容赦しない。
どうする?」
キースはゆっくりと、ハッキリした口調で話した。
騒ぎに気付いた治安維持部隊の隊員達が、駆け寄ってくる。
官邸内にサイレンの警報音が響き渡る。
キースの立っている場所から少し離れて、治安維持部隊が周りを囲む。
あっという間に、キースは武器を構えた治安維持部隊に何十にも取り囲まれた。
「もう一度言う。
オレが用事があるのは、元首1人だけだ。
案内して欲しい。
邪魔をするなら…あんたらを食うぞ?」
「ひいっ!!」
隊員の中には怯える者もいる。
「お前は何者だ!?
元首に何の用事だ!?」
この中で責任者らしき隊員が、キースに話し掛けてきた。
「オレは元首の知り合いだ。
用事も元首に聞けばわかるだろうよ」
キースは赤い瞳を煌めかせて、責任者らしき隊員を見る。
責任者らしき隊員は、キースに見つめられた瞬間に震え上がってしまった。
武器を落として、腰が抜けたように膝をつく。
「やれ…やってしまえ!!」
他の隊員から声が上がる。
その一言を皮切りに、治安維持部隊は一斉にキースに攻撃を仕掛けた。
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