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「剣を抜くまでもないな」
キースは人間は無視して、魔成生物の隊員だけを狙う。
攻撃を避けようともしないが、傷も付けられないので、隊員達はひるんでいる。
キースは魔成生物の隊員を捕まえて、腕を掴んで口に持っていき、二の腕に噛みついた。
そのまま肉を噛みちぎって、隊員を放り投げる。
「うわぁっ!!」
隊員はドサリと地面に落ちて、キースに噛みちぎられた部分を押さえて、痛みのあまりに転がり回った。
キースは見せつけるように、ゆっくりと咀嚼し、ゴクリと音を立てて飲み込んだ。
「思ったよりも美味いな…
次は誰だ?」
「ばっ、化け物!!」
「うわあっ!!」
「逃げろーっ!!」
隊員の一部が武器を投げ捨てて逃げ出した。
キースは逃げていく隊員を見送って確認する。
…逃げたのは人間ばかりだ。
ここにまだ残っているのは、皆魔成生物か。
そういえば、魔成生成は考え方を刷り込まれているんだったっけな。
キースは先程、イルデアまで歩きながらドルナスから受けた、魔成生物についての説明を思い出した。
残っている隊員達が、キースに攻撃を仕掛けた。
普通の人間がいる前では抑えていたのか、人間離れした身体能力を駆使して攻撃してくる。
「殺さずに倒す練習台になってもらおう」
キースは剣を抜いて、隊員達を死なない程度に痛め付けて、次々と行動不能にしていった。
途中で数人の血を舐め、肉を食べた段階でも、何人かが逃げ出した。
刷り込みを覆す程の恐怖を感じたのかも知れない。
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