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「剣の方が手加減出来るんだなぁ」
キースは自分以外に立っている者がいなくなり、つぶやく。
そして、再び正門に向かって歩き出した。
官邸の中から、また治安維持部隊の隊員がわらわらと出てきた。
良く見ると、先程の隊員達とは少しだけ制服が違うのと、全員が魔成生物だった。
更に魔物のような大きな四足の獣が何十匹も出てきて、キースの周りに集まってくる。
「凄いな…これも魔成生物か…」
キースは、初めて見る、魔物で造られた魔成生物を目の前にして感心していた。
「やれ!!」
号令と共に、隊員達と魔物の魔成生成達が、次々とキースに襲い掛かる。
キースは敢えて受け身を取り、全ての攻撃を受けた。
隊員達の武器はもちろん、魔物の爪や牙もキースの硬い皮膚を突き破れないでいる。
「便利な皮膚だ」
キースは魔物を捕まえて肉をかじりとった。
隊員達の肉や血を少しづつ口にする。
「魔成生物の味が段々わかってきた」
この制服が違う隊員達は、合成に使われている魔物の割合が、少し多いようだ。
そのためか、身体能力も一層人間離れしている。
先程の隊員達と同じように、死なない程度に痛め付けているつもりだが、耐久力が違うのか、なかなか倒れない。
魔物の方は動きが速く、更に厄介だった。
キースは少し悩んでいたが、心を決めた。
魔物の魔成生物の首を剣ではね飛ばす。
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