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「化け物に化け物と言われる筋合いはない!」
ケーニスは、節のある足を使って攻撃を仕掛ける。
キースは、足を素手で叩き落とすが、ちぎれた足は、すぐに再生を始める。
「チッ!厄介な」
やはり、頭を潰すしかない。
強い魔成生物を倒すには、圧倒的な力で再生不能になるまで砕くか、頭を潰すしかないと聞いた。
魔法が使えれば、このケーニスくらいの魔成生物ならば、粉々にする事も可能だが、単身で砕くのは面倒だ。
手っ取り早く頭を狙おう。
そう考えていると、キースは突然吹き飛ばされて、壁に打ち付けられる。
壁が崩れて、破片がキースの全身に降ってきた。
「おお?」
痛くはなかったが、衝撃に驚いた。
ケーニスのムカデのような尾で打たれて飛ばされたようだ。
自分の腹を見ると、僅かに傷が付いていて、既に再生が完了しようとしている。
「確かに、この身体もなかなかの化け物だ」
キースが崩れた壁の中から立ち上がると、ケーニスは驚いた顔をする。
「貴様は何者だ?」
「この身体は魔物だな」
キースは素早くケーニスに近付き、ムカデのような胴体に思い切り蹴りを入れる。
ケーニスは、くの字になってキースに蹴られた部分がちぎれ、上半身が床に落ちた。
上半身だけになったケーニスは、腕力だけで飛び起き、鉤爪でキースを攻撃しようとするが、あっさり避けられてしまう。
その間にケーニスの下半身は、キースの攻撃によって肉塊と化していた。
キースはケーニスを後ろから床に押し倒し、両腕を握り潰して使えなくすると、頭の上に足を置く。
「何か言い残す事はあるか」
痛みに呻くケーニスに、キースは尋ねた。
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