逆襲

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魔王は切られた腕を押さえてキースと距離を取る。 「浅かったか…」 切り落とすつもりで向かったが、腕は繋がっている。 だが、かなりの深手を与える事に成功した。 「フフン、さすがだな。 だが、どうという事はない」 魔王が傷口から手を離すと、腕からはどくどくと血が流れ出しているが、徐々に止まっていく。 よく見ると、傷口が再生しているようだ。 「やはりそうか…」 キースは剣に付着した魔王であり自分の身体の血を舐めてみた。 間違いなく魔成生物で、しかもほとんどが魔物と言える割合で合成されている。 人の形をしているのが不思議な程だった。 ドルナスの言う通り、魔王の魔成生物造りの技術が優れていると言うより他ないようだ。 キースはただ悲しくなった。 そして、自分の身体を弄ばれた悔しさと怒りが、改めて込み上げてくる。 自分の身体は全くの別物になり果てていたのだ。 「それはもうオレの身体じゃない。 この世から消し去ってやる…!」 キースは、魔王に向かって走る。 そして、魔王に猛攻撃を仕掛け、息をつく隙を与えない程の鋭い攻撃を数多く繰り出した。 魔王はキースの剣を捌いているが、手数の多さに捌ききれずに攻撃が当たり始める。 「この身体が惜しくないのか? 戻れるかも知れないのだぞ!?」 魔王は少し息を切らしながら言った。 「血を舐めてわかった。 その身体で今のオレは受け止めきれない!」 やはり人間の身体が少しでも使われていると、キースの魔力に耐えられないようだった。 以前ドルナスに告げられていたので、わかってはいたが、認めるのはやはり辛い。 キースは気持ちを振り払うように剣を振るう。
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