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魔王は突然キースから大きく距離を取って離れた。
魔王の全身は、キースの攻撃によって傷だらけになり、至る所から流血している。
「回復の時間は与えないぞ!」
キースはすぐに魔王を追って距離を縮める。
「剣で貴公には勝てないようだ」
魔王が両手を振りかざすと、床いっぱいに大きな魔法陣が浮かび上がり、様々な魔物の姿をした魔成生物が大量に出現した。
「まだこんなにいるのか!!」
キースは一度に数匹ずつ倒していく。
魔王はその間に、治癒魔法を使って、傷の治療を行おうとしていた。
「やらせない!!」
キースは魔王に迫ろうとするが、魔成生物の数が多すぎて近付けない。
「クソッ!邪魔だ!」
魔王は治療を始めて、傷が少しずつ治っていく。
魔法で一掃するしか!
キースは広範囲の攻撃魔法を展開したが、魔法は形にならず霧散してしまった。
やはり魔法効果無効の結界のせいで魔法が使えない。
「結界が邪魔だっ!!」
キースは結界だけに向かって純粋な魔力のみをぶつける。
「消えろ!!!」
パーン、と、薄いガラスが割れるような音がして、結界が崩れた。
「何!?」
結界が壊れるのと同時に、キースが放った魔法によって部屋の中全体が炎で覆いつくされ、魔王にも強烈な炎が迫る。
魔王は素早く治癒魔法を中断して、自分の周りを魔法で防御した。
キースは炎の中を魔王に向かって駆ける。
そして、炎を切り裂き、魔王の正面から斬りつけた。
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