逆襲

39/42
前へ
/539ページ
次へ
魔力=自分自身のキースにとって、魔力を減らすのは死に向かっているに等しい。 全てが終わったら、ゆっくり魔力を回復しよう、と、キースは思った。 魔王は、胸を押さえた手に治癒魔法の光を集めている。 「回復はさせない」 キースは無造作に魔王の首を狙って剣を振る。 魔王は何とかキースの剣を自分の剣で受け止めた。 「この私がっ!!」 魔王は回復を諦めて、攻撃に転じた。 キースに向かって様々な剣技を振るうが、弱っているのか、少し動きが鈍くなっている。 キースは魔王の放った剣を全て受け止めながら、言った。 「もうわかった。 貴様はオレに勝てない。 〈ヨルムの守護者〉を引かせろ」 「何を!!」 魔王はまた攻撃魔法を放つが、一瞬だけ戻った極魔血晶のキースに魔力を吸収された。 「無駄だ」 キースは魔王の腕を切り落とした。 「うぐぅ!!」 魔王の腕が、持っていた剣と共に床に落ちる。 「もう一度言う。 〈ヨルムの守護者〉を引かせろ」 魔王は再生能力での回復が間に合わず、出血のため何とか立っているという状態になりながらも、キースを見て口の端に笑みを浮かべる。 「ふふ…〈ヨルムの守護者〉は既に私の手を離れている… 最終指令を与えてな」 「貴様の細工で〈ヨルムの守護者〉に命令を出せるはずだ! 死にたくなかったら引かせろ」 「ふん、私を生かしておくつもりなどないであろう? 〈ヨルムの守護者〉に与えた最終指令は何か聞きたくないのかね?」 「…」
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

794人が本棚に入れています
本棚に追加