794人が本棚に入れています
本棚に追加
魔力=自分自身のキースにとって、魔力を減らすのは死に向かっているに等しい。
全てが終わったら、ゆっくり魔力を回復しよう、と、キースは思った。
魔王は、胸を押さえた手に治癒魔法の光を集めている。
「回復はさせない」
キースは無造作に魔王の首を狙って剣を振る。
魔王は何とかキースの剣を自分の剣で受け止めた。
「この私がっ!!」
魔王は回復を諦めて、攻撃に転じた。
キースに向かって様々な剣技を振るうが、弱っているのか、少し動きが鈍くなっている。
キースは魔王の放った剣を全て受け止めながら、言った。
「もうわかった。
貴様はオレに勝てない。
〈ヨルムの守護者〉を引かせろ」
「何を!!」
魔王はまた攻撃魔法を放つが、一瞬だけ戻った極魔血晶のキースに魔力を吸収された。
「無駄だ」
キースは魔王の腕を切り落とした。
「うぐぅ!!」
魔王の腕が、持っていた剣と共に床に落ちる。
「もう一度言う。
〈ヨルムの守護者〉を引かせろ」
魔王は再生能力での回復が間に合わず、出血のため何とか立っているという状態になりながらも、キースを見て口の端に笑みを浮かべる。
「ふふ…〈ヨルムの守護者〉は既に私の手を離れている…
最終指令を与えてな」
「貴様の細工で〈ヨルムの守護者〉に命令を出せるはずだ!
死にたくなかったら引かせろ」
「ふん、私を生かしておくつもりなどないであろう?
〈ヨルムの守護者〉に与えた最終指令は何か聞きたくないのかね?」
「…」
最初のコメントを投稿しよう!