決戦

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「ファリア様、街の住民の避難はほぼ終わりましたので、本格的な魔物掃討作戦に移りますが…ファリア様?」 「…あ、ああ、わかった」 話し掛けてきた兵士長のサムによって、ファリアは現実に引き戻される。 「魔法士達を城にいる化け物から引かせて、魔物の掃討を手伝うように言え。 それで一気に街から魔物を追い出すぞ」 「わかりました」 サムは近くにいる兵士に指示を出すと、兵士は走り去った。 「私も行く」 ファリアが告げると、サムは慌てて手を振る。 「ファリア様の手は煩わせませんよ!」 「キースとドルナスが化け物に向かった。 この城壁の側にいるのはむしろ危険、街にいた方が安全だろう。 ここにいる全員を、城から出来るだけ離れた安全な場所へ退避させろ」 サムはファリアの話を聞くと、納得したように頷く。 「なるほど、わかりました。 では、ファリア様、行きましょう。 全員街外れまで退避だ!! 急げよ!!」 サムは大声で周囲に言い渡す。 周りにいた兵士達は、慌てて移動する準備をし始めた。 「俺はファリア様の側にいますよ」 どこからともなくサイラムが近寄ってきて、言った。 「もちろんだ。 私を守ってくれ」 「望むところです」 キースを戦わせている私には、見届ける義務がある。 戻ってくるキースを迎えるまで、私は絶対に死ぬ訳にはいかない。 ファリアは固い決意を胸に、街へ向かって歩き出した。
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