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「グオオーッ!!」
〈ヨルムの守護者〉は苛立った様子で咆哮を上げ、空中に舞い上がった。
翼を広げた勢いで、凍った触手がパラパラと崩れている。
空中からキースを見下ろした〈ヨルムの守護者〉は下に向かって広範囲の攻撃魔法を放った。
大きな炎の塊が凄い速さで雨のように降ってくる 。
「〈ヨルムの守護者〉は魔法が使えたのか!!」
キースは剣を頭上に構えたままの体勢で極魔血晶に戻り、魔法の魔力を吸い取りながらしのぐ。
「結構な威力の魔法だな」
吸い取った魔力の量を感じながら、キースは〈ヨルムの守護者〉を見上げる。
キースが無事であるのを見た〈ヨルムの守護者〉は、再び攻撃魔法を放つ動作をした。
「させるか!!」
キースは〈ヨルムの守護者〉の目の前まで脚力を使って飛び上がり、左腕を2本まとめて斬り落とした。
そして、〈ヨルムの守護者〉の右腕を掴んでぶら下がり、再生途中の左腕に素早くペーパーナイフを1本ずつ刺した。
掴んだ右腕の付け根にもペーパーナイフを刺す。
〈ヨルムの守護者〉は残った1本の右手の爪をキースの首に深く食い込ませる。
キースは痛みを無視して、その右腕の付け根にもペーパーナイフを刺す。
左腕の再生が完了する前に、キースは〈ヨルムの守護者〉の爪が食い込んだ手を斬り落として離れた。
城の瓦礫の上に着地したキースは、首に刺さった〈ヨルムの守護者〉の手を掴んで抜き取る。
同時に血が吹き出したが、すぐに止まって再生が始まった。
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