決戦

14/34
前へ
/539ページ
次へ
『ドルナス! 結構刺したぞ!どうだ?』 キースはドルナスに向かって思念を送る。 『よし、やってみよう』 ドルナスは集中して“同調”を開始した。 すでに切り落とされた右手を生やして、攻撃しようとしていた〈ヨルムの守護者〉の動きがピタリと止まる。 翼をうまく動かせない様子で地上に落ちて、ズドン、と大きな音と共に土煙が上がった。 「今だ!!」 キースは、〈ヨルムの守護者〉に向かって走る。 〈ヨルムの守護者〉は、ドルナスの“同調”によって動きが制限されているようだが、ビクビクと身体を痙攣させながら起き上がろうとしている。 「でぇえい!!」 キースは掛け声と共に〈ヨルムの守護者〉へ斬りつける。 〈ヨルムの守護者〉の身体にザックリと大きく斜めに傷が入った。 傷はすぐに再生が始まっていない。 「やれる!!」 『〈ヨルムの守護者〉の首をはねろ! 早く…!!』 ドルナスから少し苦しそうな思念が届く。 〈ヨルムの守護者〉は触手で攻撃をしてきたが、動きは遅く、キースは剣を振るって何なく触手を切り落とす。 触手の再生も遅くなっている。 〈ヨルムの守護者〉は魔法で大きな火の玉を発生させ発射したが、キースは受け止めて魔力を吸収する。 キースは素早く〈ヨルムの守護者〉の正面に向かい、迷わず首をはねた。
/539ページ

最初のコメントを投稿しよう!

794人が本棚に入れています
本棚に追加