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〈ヨルムの守護者〉の4本の手の鋭い爪がシュルシュルと長く伸びていく。
すると、突然2人に向かって急降下した。
「かはっ!!」
「何!?」
キースが気が付いた時には、〈ヨルムの守護者〉の爪がドルナスの喉を切り裂いていた。
速い!!
キースは完全に遅れを取ってしまった。
「ドルナス!!」
キースはすぐにドルナスへ治癒魔法をかけるが、その動作の間に〈ヨルムの守護者〉の攻撃を受けてしまう。
キースの腹が〈ヨルムの守護者〉の爪によって深く切り裂かれる。
自己再生では間に合わない。
「チッ!!」
キースはドルナスを抱えて大きく飛び退き、〈ヨルムの守護者〉から距離を取りながら自分にも治癒魔法をかける。
〈ヨルムの守護者〉はすぐに追撃しようと追ってくる。
キースはドルナスを多少乱暴に地面に落とすと、剣で〈ヨルムの守護者〉の攻撃してきた爪を防ぐ。
〈ヨルムの守護者〉は4本の腕を巧みに操り、素早い攻撃を仕掛けてくる。
手数が多すぎる!!
キースは爪の攻撃を防ぐだけで精一杯だ。
何とか攻撃に転じようとするが、〈ヨルムの守護者〉の隙が見つけられない。
強い。
完全に再生した上、先程までとは戦い方が全く違う。
キースは〈ヨルムの守護者〉の恐ろしさを改めて実感していた。
突然ゴオッと音を立てて〈ヨルムの守護者〉の背中に炎が命中する。
「キース、すまない。油断した」
炎の出所は、魔法を放ったドルナスだった。
青い肌に角と翼が生えた、本来の姿に戻っている。
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