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「え?それだけでいいの?」 「うん、いいよ。あ、今日じゃなくてもいい?……まだ王道くん紹介されてないし」ボソッ 「……?なんか言った?」 「何でもないです」 ……まあ、いいか。 でも本当についていくだけでいいのか? それだけならいつでも行けるし、お詫びにならないような……。 それならいっそ奢れと言われた方がいいんだが。 でも司はいいって言うし……うーん。 俺が真剣に悩んでいると 「東条、そんな馬鹿に付き合う必要なんてないよ」 後ろから声がかかった。 振り返ると見知った顔があった。 「あ、高城くん」 茶色がかった黒髪をぴっしり揃え、風夜ほどではないが分厚い黒縁眼鏡を光らせる様子は如何にも堅物なガリ勉って感じ。 でもそれを払拭させるイケメン。だからこういうタイプが嫌いな金持ち共からも毛嫌いされない。 俺が彼――高城春人(たかぎはると)の名前を呼ぶと、高城くんはふんっと鼻をならし、司を睨んだ。
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