4.

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「でも……」 叔父さんはまだ心配そうに此方を振り返る。 まったく、心配性だなぁ。俺は苦笑して頭を掻いた。 叔父さんは昔から俺を構ってくれていた。それは両親が俺の双子の弟を可愛がってばかりいるので、面白くない俺が叔父さんの家によくお邪魔していたこともある。 叔父さんには相談にのってもらうことも多かったし、時には愚痴を聞いてもらっていた。家出したときも、泊めてもらった覚えがある。 でも俺はもう子どもではない。 「本当に大丈夫ですよ!俺はもう高校生ですし、叔父さんには恩があるんです。叔父さんに恥を掻かせるようなことはありませんから、安心して見ていてください」 笑顔でそう言うと、叔父さんの表情が少しだけ緩んだ。 「分かった。僕は上に行くけど、もし何かあれば西華院くん……今朝風夜くんを迎えに行った子なんだけど、彼と生徒会に言ってね。彼らには風夜くんのサポートをするように言ってあるから」 ……ん? 「じゃあ頑張って」 「あとは西華院くん宜しくね」と。叔父さんは俺の後ろを見ながら、不吉な言葉を残して階段を上がっていった。
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