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「はぁっ…はっ…っ…」
大した距離を走った訳でもないのに切れる息に愕然としながらも、自分の外れて欲しかった『もしかして』は見事にその場に変わらずに座っていた
思わず来てしまったが、何と声を掛ければいいのか迷いながら息を整える
「…?!」
男の子を見ながら息を整えていると、朝と同じく下を向いたままだった彼が顔を上げ
朝と同じく目を見開いた
「こ…んばんは?」
疑問符つけて聞いてしまった
「ぁ…」
声を出したかと思った彼は、膝を体に引き寄せて自分を抱きしめるように丸まり私を見つめる
傍にしゃがみこみ声をかける
「ねぇ?君、朝からここにいるよね?」
尋ねると、首を縦に振る男の子
「家は?」
ふるふると首を横に振る男の子に困惑する
「帰りたくない…?」
問いかけると見つめ返されるだけで、私は更に困惑して頭を少し抱えた
「?!!」
私が勢いよく立ちあがったのに驚いたのか、後ずさる男の子に
「寒いから私の部屋に行こう!!」
半ば叫び気味に言うと、有無を言わさず男の子の手首を掴み部屋へと向かった
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