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朝ごはんを食べ終え、学校へ向かうと、校門で覚えのある奴がいた。
「おはようさん、純一」
「お! おはよう、巧に春奈ちゃん」
「おはよう、純一君」
純一は中学の時とは違い、髪を金色に染めていた。
「お前……その髪どうした」
「あぁこれ? ここの高校偏差値のわりに生活指導厳しくないから染めてみた」
純一の返答に呆れてため息がこぼれた。
横をチラッと見ると春奈も同じらしく、どう返せばいいか分からない様子だった。
「せめて入学式終わってからにしろよ」
「いやー、そう言われても家が家だけに俺の髪で新しい商品試すと小遣い貰えるからつい……な」
たしか純一の親は美容師と整髪関係で、今は美容院やりつつ会社で作った整髪剤等を売って生計を立ててるとか言ってたような。
純一も小遣いを貰えたからか満更でもない感じだったので、それ以上は突っ込まなかった。
それからは先生に誘導され、長々とした入学式を終え教室へ入った。
担任は一緒に来なかったからか、皆同中で集まり喋り始めていた。
「しっかし、奇遇やな。 うちの同中は全員同じクラスとはな」
「いや、純一は隣のクラスだぞ茜」
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