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ある森の奥深くで二人の男が話をしていた
一人は長身の立派な髭をたくわえた髭も髪も真っ白でどこか威厳のある老人で、もう一人は若く老人よりも少し背丈のある黒髪の飄々とした雰囲気のある若い男性だ
「もう行ってしまうのか…」
老人が若者に声をかけた
「ええ、この世界でやりたいことももうなくなったんで」
若者は笑いながら答えた
老人は重々しく話を続けた
「そなたが来てくれていなかったらこの国はどうなっていたことか、重々にはなるが感謝する」
そういって老人は頭を下げた
「やめてくださいよ。何度も言いましたが自分がやりたいことやったまでで国を救うつもりなんて最初はなかったんですから」
若者は少し慌てて否定する
「そうだとしてもこの国を救ったのはあなただ。あなたはこの国の勇者だ」
「いやいや、勇者なんて大それたものじゃないですけどね」
若者は苦笑いしながら頭を掻きながら続けた
「俺は勇者みたいに聖人君子じゃないし、ただやりたいようにやっただけだから」
「これまでにいくつもの世界回って来たけどちょいちょい勇者だなんだって言われて誰がつけたかしらないけど【派遣勇者】なんて気付いたら呼ばれてたけど勘弁して欲しいよ」
若者は大きなため息をついた
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