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学校にはいつもと同じ8時23分に着いた。
家から近いとついつい油断して遅刻ぎりぎりになってしまう。早起きはやっぱり難しいな。
2年B組の教室に着く。1週間ぶりの教室だ。颯太がさっき言ったように、あたしはおたふくかぜをひいて学校を休んでいたんだ。
だから、久しぶりの学校に少し変な気分になる。
でも、理由はそれだけじゃなかったんだ。
窓側の一番後ろにあたしの机があるはずなのに、ない。
いや、正確に言うと、位置的には存在してるんだけど、誰かがそこで机を覆うように突っ伏して眠っているのだ。
大きな身体。ごつごつした手。短くて黒い髪を軽く立てている。
こんな人、クラスにいたっけ?まじまじと色んな角度から見てしまう。
それでも、その人は気付く様子もなかった。
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