1こ

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そう。待っていたんだ、ずっと。 あの日から。 ドキドキと胸が高鳴る。 どうしよう、この人も気付いているのかな。 聞こえるかな。 というより、あたしのこと、この人も知ってたりするのかな。 「誰?」と言うような目であたしを見つめるその彼。 朝だからか、少し眠そうな顔をしている。 その表情で口にしなくてもわかった。きっとこの人はあたしを見たことがないんだろう。 だけどあたしは。その目に、何かが奪われたのかもしれない。 なんだろう、この気持ち。今まで感じたことのない心臓の動き。 身体の内側から不思議な感覚があたしを襲う。 こういうことなんだ。 「やっと、会えたね」とあたしはそこでそう言うと、眉間にしわを寄せて怪訝そうな顔をしてみせた。 やっと、会えましたね、運命の人。
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