901人が本棚に入れています
本棚に追加
一時間目の体育の授業が終わって、ゆうちゃんと体育館から教室へ戻る。
「そういや、さっきいた男、転入生だよ」
「やっぱり!そうだよね?クラスにはいなかったもんね」
「あんたが休んだ日に来た。こんな時期に珍しいよね」
季節はもうすっかり秋で、木々の色も赤や黄色へと変わり始めている。カレンダーは10月だ。
「きっと、わけあり」と涼しい顔でゆうちゃんは言う。
黒いロングの髪がきれいになびいて、あたしは一瞬見とれた。
戻る途中、2-Eの前の廊下で男友達とじゃれ合っている颯太を見つけた。
「あっ。ゆうちゃん、ちょっと颯太のとこ行くね」と言うとそこで立ち止まった。
最初のコメントを投稿しよう!