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「お前何年だ?」
「あ……に、二年生です」
「えッ」
「?」
「ああ、いやすまん。チビだからてっきり中坊上がりの一年かと思ってたからよ」
「…アハハ、よく言われます…」
「………」
乾いた笑いを発する少女を見て賢勝は無表情になる。
「何笑ってんだ」
「え…?」
「言われたくねえことだったんだろ。悪かったよ」
「そ、そんなことないですよ…?」
「じゃあなんであんな顔して笑ったんだ。へったくそな作り笑いしやがって」
「………」
「イジメはいじめられる側にも原因があるとかよく聞くが、つまりそういうとこなんじゃないか?縮こまってろくに言い返せないからイジメが続くんだろ。お前自身がイジメを煽ってんだろ」
「………………じゃあ、どうしたらいいんですか…」
俯き、スカートをギュッと握る少女は呻くように吐き出した。
「機嫌を損ねただけで蹴られたりするんですよ…反抗なんかしたら、もっと酷いことされちゃうかもしれないじゃないですかッ……教えてくださいよ!私だってこんなのヤダ!だけどどうしたらいいかわからないんだもん!私はどうしたらいいの!?教えてよ!!」
涙を流す少女が賢勝を睨み付けながら叫んだ。言うだけなら簡単だ、だけど何をすれば解決するのかがわからなくて、何をしたって事態は悪い方にしか転がらないのがわかってて、だからこそどうにも出来ないんだと訴える。
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