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「つ、つまらんって……」
「けど好都合なのには変わりねえな、俺もお前も」
「……………いいんですか…?」
「何が?」
「…私を………助けてくれるんですか?」
「お前が助けて欲しいんならな」
「………う……ひっぐ……えう…」
肩を震わせ、ポロポロと涙を零す少女。青い瞳は涙のせいでキラキラ光り、賢勝はその目に意識を奪われそうになった。
それでも、賢勝は少女の言葉を聞き逃さなかった。
「―――私を……助けてください…!」
「言えたじゃねえか」
少女の頭に手を置き、賢勝はにこやかに微笑みながら、
「めんどくさいからヤダ」
「 」
「……………、えっ、おい?冗談だぞ!?あああ!青い目から光が消えていくぅっ!!」
賢勝の必死の蘇生が少女の『人を信じる精神』の死滅をなんとか阻止した。危うく心を壊してしまうところだったと賢勝は本気で焦る。冷や汗がすごい。
「ま、まぁ、まだ同じクラスかはわからんが助けてやるよ」
「……ありがとうございます。けど、ひょっとしたらあなたもイジメの影響を受けるかもしれないのにいいんですか?」
「問題無いな。もしちょっかいかけてくるような奴がいたら殴り殺すから」
「なっ、殴り…!?」
「おっと、今のナシで。俺は変わるって決めたんだ、ナシナシ」
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