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ピピピ...
4月5日 朝8時。
ケイタイのアラームが枕元で鳴り響いた。
「んー..」
人一倍目覚めが悪い私は予定の時間よりも何時間も前にアラームを設定していたが、アラームは鳴り出してから5回目くらいになる。
うるさいなー なんて思いながらケイタイのボタンを押してまた眠る。
ピピピピ...
「あーもう!うるさいな!!!」
やっと起きてケイタイで時間を見ると、8時45分になっていた。
まだまだ寝ぼけた頭で、今日の予定を思い出す。
「...あー!! 今日高校の入学式だった!」
~♪
言い終わるとほぼ同時に、今流行りの女歌手の着信音がケイタイから鳴った。
「...もしもし?」
「もしもし起きた?あー..よかった今日入学式でしょ?初日から、亜海が遅刻しちゃったらヤバいと思って心配で電話しちゃったよ~てか、メール返そうか!」
「あ..うん 今起きたのありがと-....」
まだまだ眠たくて、わざわざ朝から電話してくれた親友の紗耶香に適当な返事をしてしまう。
「もしかして、このまま切ったらまた寝ないでしょうね?」
「うん寝る。おやすみ」
「こら!まあ、入学式は1時からだし大丈夫だと思うけど..んじゃあ、また学校でね?絶対に遅れたらダメだからね」
「紗耶香ありがとー また後でね」
そう言うと電話を切って、また布団に潜り込んだ。
また寝ようとしたけど目が完全に覚めてしまって眠れない...。
だから、しばらくケイタイを
構うことにした。
最近では起きたら1時間近くケイタイを構うのが日課になっている。
トントントン..
お母さんが階段を上がってくる。
長い間一緒に住んでるからだいたい足音で誰か分かるものだ。
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