一章 講師

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 それは、冬の終わり。種師育成教育機関の階級試験での出来事だった。  講師を勤めるタイリは、作られた領域を生徒の攻撃を交わして走り回る。  階級試験は、講師との実技戦だった。ルールは、講師からバッジを取れば終わりなのだが、ある人間の陰謀により最悪の事態になっていた。  現状、試験を受けた二十人の生徒とタイリは、実技戦の為に張られた結界に閉じ込められている。  結界解除するには、生徒二十人を戦闘不能にするしかないという。  そのことをタイリが知ったのは、試験が始まった直後であった。  同じ学園の講師セシアが、連絡してきたのだ。通信が切れた時には、既に外部との接触はできなくなっていた。  タイリは、自分を狙ってきた犯人の指示に従うことを選択するほかなかった。
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