一章 講師

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 まともに水圧を受けてよろめいたタイリは、掌を地につけて、少年と同じ言葉を繰り返す。  茂みの先に光が浮かび、先程と同じような攻撃が繰り出される。少年の情けない悲鳴が響くのを確認し、タイリは袖で濡れた顔を拭いた。 「連獄!」  更に、後ろから少女の呟きが響き、タイリを黒い炎が覆う。  タイリは、ローブを脱ぎ捨ててアリトに接近し、その腕を取る。 「もう少しだったのにな。お疲れ様」 「お疲れ様、ですって。まだ、バッジを取ってない」  簡単には白旗を揚げないとでも言いたげなアリトの瞳に、タィリは苦笑いを浮かべた。 「バッジが欲しいならやるよ。ただ、此処から出られるかは保証できないけどな」 「なに。どういうことですか」
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