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(あ・・ウサギ忘れた…。)
さっきの混乱で柊介からもらったプレゼントを置き忘れていた。
(だけど戻るのもな・・)
苦しそうな表情の柊介が頭から離れない。
ふと、コップで切った指を見る。傷口はきれいに塞がっていた。
(柊ちゃんが舐めたのは…)
指から出ていた血だったのだ。吸血鬼には治癒力もあるらしい。
「あんなに切れてたのに、塞がるなんておかしいからね…。」
半ば自嘲気味に笑う。絆創膏をくれたらよかったのに・・と思った。
(治したのは、柊ちゃんの優しさか・・?)
『さら…ゴメン…』
あの時の柊介の悲しそうな顔が沙良の中から消えなかった。
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