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「ただいま~」
ドアを開け、沙良は家に入った。
歩いて帰るうちにいくらか気分が冷静になっていた。
「おかえり~」
台所から母親が声をかけるが沙良の表情に違和感を感じて呼び止めた。
「沙良・・嬉しそうじゃないわね。」
「ちょっとね…」
「…柊介くんに襲われた?」
「ちが・・」
そこでふと気づく。なんで柊介に襲われたと思ったのか、と。
「…お母さん?」
疑問の確信がほしくて尋ねると、一息吐いてから沙良をリビングに促した。
「長くなるからここで話しましょう。」
ソファに座らせた後、お茶を沸かすためにコンロに向かう。
「お母さん・・」
「お茶でも飲んで落ち着きなさい。」
有無を言わせない口調で沸かし続ける。
(そんなにひどい顔してるの・・?)
どこか釈然としないまま沙良は黙ってついていたテレビを眺めていたのだった。
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