2章

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「いつしか・・未緒ちゃんに雅樹くんはかたくなだった心を許していって…血をもらうようになった。」 「お母さんは…そのこといつ知ったの?」 「高校2年の時。ちょうど2人が付き合いだしたころに報告を聞いたの。」 そこで話を切って沙良を見つめる。 「沙良…。もし同情で血をあげようと思っているならやめなさい。いつかお互いが後悔する日が来るから。」 その言葉に少し悩んでから沙良は質問をする。 「…同情じゃなくて、本気で柊介に血をあげようとしたら…お母さんは怒る?」 母親は沙良の発言をある程度予想していたのかポンポンと頭を撫でながら答えた。 「それが沙良の決めたことなら応援する。…後悔しないようにね。」 「うん。…ありがとう、お母さん。」 沙良は安心したように母親に身体を預けたのだった。
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