2章

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翌日。 「失礼します。」 生徒会の仕事で学校にいた沙良は呼び出しを受け部屋に入る。 呼んだ相手は… 「ゴメンね、高梨さん」 「え…本城先生??それに芹沢会長・・・。」 柊介の兄で数学教師の本城 徹(ほんじょう とおる)と生徒会長の芹沢 桃子(せりざわ ももこ)が待っていた。 「…取り込み中なら出直します。」 役員としての顔を崩さない沙良をあわてて引きとめる。 「待って!!柊介のことで話があるんだ!」 扉を開けようとした手をぴたりと止めて徹に向き直る。 「…わかった。でも…」 ちらりと桃子のほうを見ると苦笑して徹が弁解をした。 「桃子は全部知ってるよ。俺のこと。」 その言葉に軽くうなずく桃子にホッとしたように息をついた。 「そうなんだ…。あたしも徹くんに聞きたいことがある。」 ギュッとこぶしを握り締めて沙良は一人覚悟を決める。 その顔を見て桃子が気を利かせて外に”会議中”の札を立てる。 「人が入ってきたら言い分け出来ないから。」 いたずらっぽく笑って徹の隣に座ったところで話が始まった。
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