2章

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口火を切ったのは沙良からだった。 「…柊介は吸血鬼なの?」 「そうだよ。本城家は代々、16歳を期に男子だけ吸血鬼になるんだ。ぼんやりした自覚は13歳ぐらいからあるんだけど完全に覚醒するのはその歳。」 質問を肯定して話始めた徹の話に気になるとこがあり少し遮る。 「13歳ってちょうど柊介が避け始めた時だ…。まさか、柊介は…」 「ぼんやりでも吸血鬼だと自覚したから避けたんだろうね。覚醒して危険なのは近くにいる沙良ちゃんだし。」 徹の言ってる意味があまり分からなくて沙良は首をかしげた。 「柊介は沙良ちゃんを危険に晒したくなかったんだよ。多分、覚醒した時襲われてないでしょ?」 「うん。柊介が必死で耐えてた。」 「俺も吸血鬼だから柊介の気持ちは分かるよ。大切な人を傷つけたくない気持ち。」 「え…?」 沙良は信じられないといった顔で徹を見つめる。
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