1章

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キーンコーンカーンコーン… 授業終了を告げるチャイムが鳴り一斉に立ち上がる生徒たち。 それをぼんやりと…高梨 沙良(たかなし さら)はセミロングの黒い髪をいじりながら見ていた。 「さーら♪誕生日おめでとう!」 目の前に現れたのは親友の水瀬 千鶴(みなせ ちづる)。 ふわふわのウェーブがかかった髪が印象的な彼女は高校で出来た友達だ。 「ありがとー!中開けていい??」 そう言って開けると中からは熊のぬいぐるみが出てきた。 「それね、目のところに誕生石が入ってるの。12月はラピスラズリなんだって。」 よく見るとキラキラとした青い石が埋まっていてとても綺麗だった。 「大事にするね。」 ニコニコしながら千鶴がくれたぬいぐるみを大事に抱えたのだった。
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