1章

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帰り道、寄り道をした二人は街のイルミネーションを見て呟いた。 「世間ではクリスマスか…。」 「俺らにとっては誕生日だけどな。」 お店はクリスマス一色で周りにはカップルがあふれていた。 「今年も本城と過ごすのか・・」 「なんか不満でも?」 むすっとしたように柊介に言われる。 「いや・・、お互い寂しいなと。特に柊介は告白されてるのに。」 たまに柊介の告白現場に遭遇するのだ。 「好きじゃない子と付き合いたくない。沙良こそいないのか?」 「あたしは無理だね。」 そう言って沙良はマフラーに顔を埋めた。 (だって振り向いて欲しい人は…) ここにいるから…。 言葉に出せない思いだけが沙良の中に積もるのだった。
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