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帰り道、寄り道をした二人は街のイルミネーションを見て呟いた。
「世間ではクリスマスか…。」
「俺らにとっては誕生日だけどな。」
お店はクリスマス一色で周りにはカップルがあふれていた。
「今年も本城と過ごすのか・・」
「なんか不満でも?」
むすっとしたように柊介に言われる。
「いや・・、お互い寂しいなと。特に柊介は告白されてるのに。」
たまに柊介の告白現場に遭遇するのだ。
「好きじゃない子と付き合いたくない。沙良こそいないのか?」
「あたしは無理だね。」
そう言って沙良はマフラーに顔を埋めた。
(だって振り向いて欲しい人は…)
ここにいるから…。
言葉に出せない思いだけが沙良の中に積もるのだった。
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