1章

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「俺…誰も好きにならないと思うよ。」 柊介の発言にびっくりしてマフラーから顔を上げた。 「なんでよ??」 「本当の俺を知って好きになるやつはいない。」 言い切ったその言葉は沙良の心にズシンときた。 「いつか現れるかもしれないじゃない。」 「それは幻想だな。いてもそいつが不幸になるだけだ。」 柊介の表情は見たこともないぐらい冷たい表情をしていた。 「…なんかあった?」 沙良の口からでたのはその一言だけ。 柊介は突拍子もない発言に目を見張った後、沙良の頭をくしゃくしゃに撫でた。 「なにもないよ、気にするな。」 次に見たのはいつもの人懐っこい笑顔だった。 「それに、高梨とは幼なじみだから。」 (…好きって言ったら壊れちゃう。) 柊介の気持ちを聞いて沙良は想いをしまうことに決めたのだった。
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