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遅れて指から血が出てきた。
「切っちゃった…。」
「見せてみろよ。」
沙良の手を取って柊介が傷口を確認したその時…
《ドクン…》
(え…嘘だろ…なんで今…)
柊介は自分の変化に驚いていた。
…血を見て胸が高鳴ったのだ。
《ドクン…ドクン…》
(うまそう…甘い匂いがする…)
「柊介…どうしたの??」
沙良の問いかけにも無表情で反応しない。
柊介に恐怖を感じた沙良は手を離そうとするがびくともしない。
「柊介!!離して!!」
ぐいぐい押しやるようにする沙良の耳に届いたのは…
「さら…ゴメンな…」
たった一言の謝罪の言葉と指に感じる生暖かい感触だった。
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