1章

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遅れて指から血が出てきた。 「切っちゃった…。」 「見せてみろよ。」 沙良の手を取って柊介が傷口を確認したその時… 《ドクン…》 (え…嘘だろ…なんで今…) 柊介は自分の変化に驚いていた。 …血を見て胸が高鳴ったのだ。 《ドクン…ドクン…》 (うまそう…甘い匂いがする…) 「柊介…どうしたの??」 沙良の問いかけにも無表情で反応しない。 柊介に恐怖を感じた沙良は手を離そうとするがびくともしない。 「柊介!!離して!!」 ぐいぐい押しやるようにする沙良の耳に届いたのは… 「さら…ゴメンな…」 たった一言の謝罪の言葉と指に感じる生暖かい感触だった。
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