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プレゼントというのも7月はじめに予め黒兎さんから
「実は俺の誕生日、7月12日でその週の水曜日にお屋敷(お店)に来ようと思ってるんだけどあんちゃんはいる?」
と聞かれており、聞いたからにはプレゼントを用意しないとと何故か決意した私は、奥さんがいるということも考えてあまり目立たない地味なブレスレットをプレゼントしていた。
メッセージを読んだ私の心の中はプレゼントを喜んでくれたんだという嬉しさともう少し良いものをあげたかったなという申し訳ない気持ちで一杯になっていた。
そしてメッセージの1番最後にの言葉。
《CHu 。》
あれは本気なのだろうか。
本気だと思いたいそんな自分もいる。
でもそんなのはダメだと引き留める理性ある自分もいる。
私はこの状況をどうにかして止めなくてはいけないと止めてもらいたいと思いながら和成に声をかけた。
『ねー、和成。…あのね。実は御主人様(御客様)から最近メッセージが来てて…』
『…ん?、メイド喫茶でなんかあったのか!?』
和成は私がメイド喫茶で働いていることを知っている。
というより、私がメイド喫茶で働く上で背中を押してくれたのがこの和成だった。
前の職場でお互い知り合い、その職場はブラック企業で給料が出なくなると言い渡されたとき、私はフリーターになることを決めた。
和成も新しく仕事を見つけ、現在の会社に就職を決めた。
私自身フリーターになるならやりたい仕事をやるとは思っていたのだが、メイド喫茶というのは周りの反応も良いものじゃ無いんじゃないかと怖く、なかなか1歩が踏み出せなかった。
そのときに和成は「今しか出来ないことをやらないと後悔するんじゃないのか?」と背中を押してくれた。
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