#01 始まり

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そして約1年。 一時は飲食店や営業の正社員になったもののブラック企業ばかりで耐えられなくなり、私はフリーターになることを決意した。 そして現在1度は働いてみたいと思っていたメイド喫茶で働いている。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 今日の御主人様(御客様)はスーツを身に纏った2人組。 2人の共通点は黒髪の短髪、眼鏡とスーツ。 1人目の人は少しがたいの良い感じ。 短髪の髪の毛をワックスで少しいじって立たせている。 見た目は真面目そうな方。 もう1人の人は少し細身で同じく短髪の髪なのだがワックスは着けておらず、無造作な感じ。 見た目は頼りなさげな方だった。 その1人少しがたいの良い感じの方には見覚えがあった。 『…確か、黒兎さん?』 『覚えててくれたんだ!!嬉しいね!!当たりだよ。闇夜の兎こと黒兎です!』 少しがたいの良い彼は御主人様名を《黒兎》といい、私はその時も同じ名前紹介をしてくれたのを覚えていた。 『相変わらず厨2発言だねー』 私は笑いながら黒兎さんに返事をする。 お店がお店なだけに別に珍しい事でもない。 寧ろ笑いを提供するという為だけにジョークを挟んでくれる黒兎さんはかなり良い人だ。 お互い笑い合いながら黒兎さんは杏の源氏名といっても、ほぼ本名でやってる杏は漢字か平仮名かの違いしかないのだが、源氏名を呼び、話を続けた。 『それにしてもあんちゃんやっといた!!久々だね!!』
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