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『えー!!それにしては会わなさ過ぎてびっくりだね。あんだって、そんなに入ってないなんてこともないのに。』
私は実際今までのシフトを振り返りながらポツリと呟いた。
『そうなのか。でも会えなかったのは事実だもんな。ほらカード見てみる!?』
黒兎さんはここのお屋敷(お店)のポイントカードを取り出した。
ポイントカードというのは500円で1ポイント判子を押してもらうことができ、その判子が20個たまったら好きなメイドさんとお写真を撮ることができるというものだ。
そしてそのカードにはカードに判子を押したメイドさんの名前(源氏名)と日付を書くことが義務化されているのでそのカードを見ればどの日付に黒兎さんが来たのか一目瞭然だった。
『5月10、…12、13、15、22、23、…29。…そうだね。結構来てるよね。』
私はそれだけ来てくれてる黒兎さんと逆に何でこんなにも被らないのか不思議に思い、更に言葉を続けた。
『もしかして…綺麗に月、水外したりしてない!?』
すると黒兎さんの隣に座っているバードさんがスマホでカレンダーを開きつつ答えた。
『ホントっすね!!綺麗に月、水来てないみたいっすよ!!』
『ははっ。そうなのかー、もしかしてあんちゃん、月、水メンバーなの?』
黒兎さんは笑いながら口を開く。
『えっとねー、シフト公開はNGだから詳しくは話せないんだけど…ね。カードが答えだよ♪』
本来メイドさんというのは店舗にもよるのだがシフト公開はNGになっている。
何故ならば推しのメイドさんがいる場合その日にしか御主人様(御客様)が来なくなってしまうからだ。
私自身嫌な御主人様(御客様)に対しては「シフト公開はNGです。」という旨を伝えるのだが、黒兎さんは違った。
私の中では好きな方の御主人様(御客様)であり、私は意味ありげな笑みを黒兎さんに見せた。
『…だね!』
黒兎さんも私の笑みの意味に気づいたように微笑みながら相槌をうった。
『はーい。黒兎さんのココアとバードさんのお絵かきケーキ。バードさん何書きましょうか?』
丁度話の区切りの所で夢がトレンチ(おぼん)にココアとケーキを乗せ私の隣に来た。
夢は黒兎さんにココアを提供すると、すぐ隣のバードさんのケーキを提供しつつチョコペンを構え、バードさんに問い掛けた。
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