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お絵かきケーキというのはメイド喫茶にはよくあるメニューの1つでケーキの乗ったお皿にメイドさんがチョコとイチゴのソースのペンでお絵かきすると言うものだ。
『うーん…夢ちゃんにお任せしますよ!!』
バードさんは少し悩んだ後にそう答えると夢が動かし始めたチョコペンに視線を移した。
因みにこの夢は物凄く絵が上手い。
ソースのペンだからこそ失敗は許されない1発書きなのだが、夢はそれをなんら気にした様子もなくさらさらとペンを走らせる。
『夢は絵本当に上手に書くよねー』
私はそのペンの動きに目を奪われつつ、ポツリと呟く。
するとその呟きを聞いていた黒兎さんは励ますように声をかけた。
『まぁ、練習あるのみだね。』
『うん!!あんもあーやって書けるようになりたいな。』
『あんちゃんは夢ちゃんみたいにコレはってのなんかないの?
きっと夢ちゃんは絵が好きだから上手いと思うし、
好きなものとか…』
黒兎さんは注文したココアに口をつける。
『好きなものか…』
私は問い掛けられた質問を頭の中でぐるぐる再生させながら色々と考えた。
『好きなものはアニメとか漫画とか…テレビ付けるとアニメしか見てないくらいだからね!!』
『そうなんだ!!因みになんであんちゃんはそんなにアニメが好きなの!?』
『なんでって言われると悩んじゃうなー。ただアニメをしらみ潰しに見てる理由は勉強したいなって思ってるからかな。』
『勉強?』
黒兎さんはアニメとか勉強がどうやっても結びつかないのか、難しい顔を見せる。
私はそれに気づくと言葉を続けた。
『うん。私、小学生の時から声優になるのが夢でこっちに出てきたのも実はそれが理由の1つなの。だからアニメとかみてアニメのキャラの演じ方とかでも勉強なるんじゃないかなって。だから一通りアニメは好き嫌い関係なくみるんだ!!』
『へぇー、あんちゃんも声優目指してるんだね!!頑張りなよ!!』
黒兎さんは私の話を真剣に聞くと応援するように声をかけた。
私も黒兎さんのその言葉が嬉しかったのだが同時に「~も」と言うのが耳に引っ掛かっていた。
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