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夏らしく、水色のドレスなんかどうだろうか。
瞳の色に合わせて、黄色はどうだろう。
そんな事を言いながら、クローゼットと此方とを行ったり来たりするアリスを見て、ローズは小さく笑った。
10歳ほどにしか見えない彼女が、実は自分よりも長生きだと分かっていても、やはり、一生懸命になっている姿は微笑ましい。
あの子は妹の様で、姉の様で、娘の様で、母の様で。
本来なら遠いはずの彼女は近しい位置にいるのだ。
「ローズ様、水色にしましょ!水色が一番似合うですよー!」
「ふふっ。そうね。私もその色好きだわ」
彼女や、彼女の双子の片割れの御陰で、今の自分がいる気がするのだ。
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