2nd友だちのすすめ

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「凌央、今日おうちの人いる?」 「いや、いないけど」 その声にゆっくりと俺の方を見た。 目を合わせると大抵は慌てて逸らすのに、今日はじっと見つめたまま 「…凌央んち行ってもいい?」 「!!」 多分慎の顔が赤いのは夕日のせいだけじゃないんだろうな なんてことを思いながら微笑む。 「汚いとこですがどーぞ」 「うそ。超きれいじゃん」 他愛のない話をしながら歩く家路はどこかあたたかく。 「そこらへん適当に座って」 俺の部屋に入ると惚けたようにぼーっと部屋を見渡す慎に手招きした。 「いつ見てもきれいだよね。学校のほとんどの人は凌央の部屋汚いって思ってるのに 笑」 「俺の机の中とロッカーそこらの女子より整頓されてるかんね?今度見たとき驚くなよ」 「はいはい」 軽く受け流すようにして慎は何の気なしにベッドの端に腰を下ろした。 ん?何の気なしか? それとも図ってんのか そもそも俺んち誰もいなくて来るってことはそういうことをするために来てるのか どうなんだ ブレザーを脱いでカーディガン姿になった慎に見とれてる自分がいる。 ネクタイを緩めるその仕草に欲情する。 噛みつきたい だがしかし 俺は今おあずけ状態だから慎には手が出せない。 慎に触れないのも慣れたなんてちょっとのうそが含まれてるに決まってる 合図が欲しい 足をぶらぶらさせる慎のかかとに何かが当たったようで 「?」 ベットの下に手を突っ込んだ。 慎の手に握られたもの 玩具 「//?!」 それも初めてしたときに使ったバイブやら、通販で買った媚薬やら、紐やら。 ぜってぇ好きな奴に見せるもんじゃねえな、するとき以外で。
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