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「っ安藤! お前、やっぱり役員の仕事サボってたじゃねぇかボケ! マジでシメんぞ、コラァ!」
「センセイ、誤解デス」
何が誤解かはわからないが、棒読みの安藤を貴島が人間とは思えないスピードで追いかけていく。
(確かに、あれは人外カテゴリだよな)
貴島の背中を見送って、涼都は頭を切り替えた。
さて、と伸びをして安藤から借りた携帯を開く。
記憶にある電話番号を押して、涼都はにやりと笑んだ。
「んじゃ、答え合わせといきますか」
程なくして出たのは
『Happy X'mas! サンタさんだよーん♪』
「あ、すいません。間違えました」
躊躇なく、涼都は通話を切った。
思わず携帯を床に叩きつけそうになったが、そこは奇跡的に思いとどまる。
(いや、安藤の携帯だから壊してもいいのか?)
そんなどうでもいいことを考えているうちに、携帯の着信音が鳴り響いた。
「────」
出るのが今更めんどくさくなってきたが、仕方ない。
話が進まないからサクッといくか。
涼都はドスの効いた声で電話に出た。
「おい、サンタ野郎。その服が血で更に赤く染まりたくなかったら、大人しく俺の言うことに答えろ」
『ちょっと! 御厨くん、それサンタに言うセリフじゃないよね?! 犯人側の発言だよ!』
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