終わりと始まりと

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ようやく、この戦争が終わった。 沢山の人の命を奪ってきた。 沢山の人の願いを奪ってきた。 戦って戦って、気が付けばこの戦争の勝者になっていた。 沢山の人の願いや、命を奪って手に入れたのは[ムーンセル]という月に存在するシステムの支配権。 だが、僕はもうすぐ消滅する。 僕は元々、存在していなかったのだ。 そんな僕は[ムーンセル]にとって不正なデータでしかない。 残された僅かな時間にできることはほぼ無い。 ? 「フッフッフ、我らも直に消滅か。」 「そうだね、セイバー。戦ってばかりだったけど、君と過ごした日々は楽しかったよ。今までありがとう。」 セイバー 「うむ!余も奏者と会えて嬉しかったぞ。」 そう言ってセイバーは消滅した。 僕も残っているのは首から上くらいしか無い。 最後に僕はぼんやりと、ある世界を眺めていた。 その世界は戦いが絶えない世界だった。まるで、ある男が願った世界のようだった。 そんな世界を、僕は少し悲しいと感じながら消滅した。
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