2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
ようやく、この戦争が終わった。
沢山の人の命を奪ってきた。
沢山の人の願いを奪ってきた。
戦って戦って、気が付けばこの戦争の勝者になっていた。
沢山の人の願いや、命を奪って手に入れたのは[ムーンセル]という月に存在するシステムの支配権。
だが、僕はもうすぐ消滅する。
僕は元々、存在していなかったのだ。
そんな僕は[ムーンセル]にとって不正なデータでしかない。
残された僅かな時間にできることはほぼ無い。
?
「フッフッフ、我らも直に消滅か。」
「そうだね、セイバー。戦ってばかりだったけど、君と過ごした日々は楽しかったよ。今までありがとう。」
セイバー
「うむ!余も奏者と会えて嬉しかったぞ。」
そう言ってセイバーは消滅した。
僕も残っているのは首から上くらいしか無い。
最後に僕はぼんやりと、ある世界を眺めていた。
その世界は戦いが絶えない世界だった。まるで、ある男が願った世界のようだった。
そんな世界を、僕は少し悲しいと感じながら消滅した。
最初のコメントを投稿しよう!