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そう。
しらべに話しかけた時、僕は僕の感情というものを考えていなかった。この子を救わなければ、という思い以外は。
でも、しらべが僕をお兄ちゃんだと言った時、僕の中ではとっくにそれを超えていた、と、のちに考えさせられて出た結果に、僕は愕然とする。
僕は先生であり、しらべは生徒だった。
しらべはたったの13歳で、僕はもう20を超えていた。
「世間体」というものに捕まり、「常識」というものに捕まり、僕は混乱して、一度はしらべと離れようと思ったこともあった。
でも、誰が何を言おうと、しらべに対する僕の思いは変わりはしない。そう思ったら、肩の力がすっと抜けた気がした。
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